つまらない仕事にモチベーションを見出す方法 (第19話 日記)

つまらない電話番をしている女性

― 省吾、高校1年生。 単調な暗記学習の連続に疑問を感じることも出てきた。そんな時、省吾が拠り所にしたものとは? ―

 

学校帰りの電車に揺られながら、俺は思いつくままに、ペンを走らせていた。

 

「勉強は何のためにするのか?」

その答えは、「人間として考える力をつけること」だろう。

そして、「それが何の役に立つのか?」

という問いに対しては、

「どんな状況にも臨機応変に対応して、人生を生き抜き、より良いポジションを目指して勝ち抜いていくこと」

「自分の幸せを、自分の頭で考え、手にいれること」

といったところが解になると思う。

だが、

「試験勉強」という枠組みで考えれば、なんだかんだ言って、限られた時間で、出来るだけの情報を頭に詰め込む必要がある。

要するに、「暗記」は避けて通れないということだ・・・

 

そこまで書くと、俺はノートを閉じて、ぼんやりと窓の外を眺めた。

 

俺は最近、日記という程ではないが、日々思ったことをノートにまとめるようにしている。

 

最近、単語の暗記や、公式の暗記ばかりやっている気がするが、この勉強には何か意味があるのか?そんなことが気になってきたのが、きっかけかもしれない。

 

誰に相談することでもない、どうにも釈然としないことを、ただノートに吐き出そうとしていただけだ。

 

だが、しばらくすると、そんな走り書きも、それなりのページ数になってきた。

 

読み直して見ると、こうも日によって気持ちが変わるものかと驚いた。

 

たまたま自分の感情が変わりやすいだけかもしれないが、ある日、壮大な目標を立てて意気込んでいたと思えば、その3日後にはもう、「こんなことで目標にたどり着けるのか?」と自問自答している。

 

人の気持ちを左右するには3日あれば十分なのかもしれない。

3日坊主とはよく言ったものだ。

 

面白いもので、読み続けていくと、また少しすれば当初の目標を思い出し、気合を入れているなんてこともある。

 

自分がそういう生き物だと分かったのはある意味大発見だ。

 

気分が乗らないとき、今の努力の方向性に疑問を持っているときこそ、そもそものゴールとその目的をはっきり思い出せば、またやる気になれるということだからだ。

 

自分の足跡を見直すことで、今やっていることの理由を日々確認できる。

どんなにゴールを見定めても、途中で道に迷うことはある。

 

意義が見えないと、このまま進めていれば大丈夫だと言う確信が揺らいでしまう。

 

そんな時、日々の考えを振り返る手段があれば、これまでどんな意図で、何をやってきたのか、

 

この先に、どんなゴールを見据えて進んでいるのか、思い出すことができる。

 

例え、今やっていることが、つまらない、単純な作業でも、その先のすばらしいゴールににつながる大事なステップだと分かれば、それなりの姿勢で向き合うことが出来る。

 

そんなことを考えていた・・・

 

気づけば窓の外には見慣れた駅のホームが見える。

俺はあわてて電車のドアに向かった。

 

つづく・・・

photo credit: Paolo Jose Cruz via photopin cc

目次

あとがき

つまらないタスクでも、その先の大事なゴールにつながっているなら、大事なタスクです。

 

例えば、新人社員を、「商品購入前のお問い合わせ」の業務に割り当てたとします。

本人が、「ただの電話番」という認識を持っていれば、「こんな雑用をするために入社したんじゃない」となるでしょう。

 

しかし、それが「会社全体の、集客スキームの入り口である」という認識を持ってもらえれば話は変わります。

会社が売り上げを維持し、成長し続けるためには、常に見込み客を集客し続ける必要があります。

その最初のステップで、「ただの電話番」としての対応をすれば、その後がどんなにすばらしくても、売り上げが立ちません。

ある意味で、一番大事な任務を与えられえた、と理解できるわけです。

 

しかし、どんなタスクでも、何か意味をつけて頑張れ、ということではありません。

本当にどこにもつながっていない無駄なタスクは世の中にあふれています。

 

このタスクにはどんな意義があるだろう?

その先にあるものは?

と考えても、何も出てこないタスクは、どんどん排除していってください。

 

いつもお読み頂きありがとうございます!
※この物語は、実体験をもとにしたフィクションです。

 

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この記事を書いた人

田畑ゼミ主催者。

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