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心の声に従い、考えるより早く問題に気づくためのテクニック (第36話 左の眉)

チョークで描かれたハート(心)

― 冬の寒さが深まる中、高校3年生の省吾は今日も自分のルール通り、勉強時間をこなす。各科目の時間は簡単なメモで済ませているが、科目一覧をみていると不思議なことに気づく。 ―

 

今年の5月くらいだったと思うが、それ以降は日々決めた時間の勉強をこなすようになった。

そのために使っているのは、折りたたんだルーズリーフだ。

 

まず、科目一覧と、所定の勉強時間を書いたら、その隣に消化した時間を書き込んでいく。

すべてやりきれば今日のノルマは達成だ。

 

しかし最近はそれだけではなく、朝少しだけ時間をとって、あることをするようになった。

それはちょっとしたイメージトレーニングのようなものだ。

 

志望校の過去問も一応の傾向はつかんだので、一科目ずつルーズリーフを見ながら試験本番の流れを頭の中でシミュレーションしていく。

例えば国語の試験が始まったとして、

まずどこから解くだろうか?

現代文か?いや、小説から解くか?

分からない問題に出くわしたらどうする?

そんな時は先に確実に取れそうな漢文から解くか?

時間配分はどのくらいだ?

などといった感じだ。

 

ところが何回かやっていると、不思議なことに気づいた。

 

科目一覧を一つ一つ、上から見ていくのだが、

頭の中で流れを想像しているうちに、ある科目のポイントで必ずといって良いほど、

気づけば窓の外を見ていたり、別のことを考え始めたりしている自分がいる。

 

最初は慣れないことをやっているせいだと思ったが、何度も繰り返すようだとこれは何か原因があるはずだ。

今日も同じように、科目一覧を上から確認してみると、さらに発見があった。

 

問題の箇所の順番がくると、左の眉が上がる、という動作をする自分に気がついた。

「これは何だろう?」

 

つづく・・・

 

目次

あとがき

 「心の声を聞く」というのは具体的にどういうことだと思いますか?

 

私が思うにそれは、自分のクセを知るということです。

 

人の脳には、本能的な思考回路を司る部分があります。

外部から入った情報は、理性を司る部分にたどり着く前に、

一度その本能的な脳を通るため、論理的に考える前に体が何らかの反応を起こすことがあります。

 

例えば、目の前に恐怖の対象が現れたら、本能的に人は戦うか、逃げるかの反応を起こします。

そして、本当に戦意を喪失するようなレベルのことに対しては、身動きが取れなくなるという反応もあるでしょう。

 

こういった反応が実は、もっと小さなストレスや、問題に遭遇したときにも、出ているはずです。

それも、やはり小さな反応で現れており、それこそが今回、私がクセと呼んでいるものです。

 

嘘をつくと眉が上がるクセ、などが代表例です。こういったクセは、人類共通のものもあれば、人それぞれに固有のものもあります。

 

試しに予定表や、TODOリストを端から眺めていってください。
・そもそも、仕事が多すぎるのが嫌で、予定表に対して斜めに座っている
・ある日のミーティングの予定が目に入ったとたん、視線をさっと反らした
・あるTODOタスクまで来たところで、気づいたらYoutubeを見ていた
・一通りチェックし終わったが、何か首をかしげている自分がいる
といった形で自分の動きに変わったところがあれば要チェックです。

どんなポイントで、自分がどんな反応をするのかチェックし、また別の機会にも同じ傾向が起きるか確認します。

 

何故こんなことをするのかというと、

自分のクセを知っておくことで、理性では判断出来ないような局面で迷ったとき、生き残る可能性が高まるからです。

 

新しいビジネスを立ち上げようと思って、準備しているときなど

自分が目指す目標に向けて、問題がないか、知る術があれば心強いはず。

しかし、初めてのことをやるなら、なおさら頭で考えるにも限界があります。

 

そこで、

・自分がこういう動作をしたら、何かそこに問題がある、
・こんな動作のときは、何か足りないことがある、確認が足りていない

等と知っておくことで、直感レベルで問題に気づくことが出来るようになります。

 

問題にいち早く気づけるのはとてつもない価値です。

どんな問題でも小さなうちに解決すればダメージが少なく済むからです。

 

是非自分の中の、心の声を活用してみて下さい。

 

いつもお読み頂きありがとうございます!
※この物語は、実体験をもとにしたフィクションです。

 

P.S.

「ライ・トゥ・ミー 嘘の瞬間」 というドラマをご存知ですか?
主役の博士が、相手の表情からことごとく真意を読み取ってしまうという物語です。
ドラマということで、かなり誇張されていますが、
こんな能力を極めたらビジネスでも失敗のしようがないですね。

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この記事を書いた人

田畑ゼミ主催者。

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