「当たり前」に気づけば、人は一瞬で変われる (第34話 朝日)

電車内の様子

― 高校3年生の冬がやってきた。省吾は受験を前に、日々勉強を重ねるが精神的なプレッシャーは高まり続けていた。 ―

勉強をすればするほど、分かることが増え、そして分からないことも増えていく。

日を重ねる毎に、目標に向かってスピードを上げているつもりだが、

何処というでも無く、俺を押さえつけるような、得体の知れない重力は強まるばかりだ。

かたい岩でも、同じところに水滴が当たり続ければ、

いずれは削れていき、その形を変える。

人の精神も同じだろう。

同じことを繰り返し、同じプレッシャーを受け続ければダメージは確実に蓄積し、

手を打たなければ折れてしまう。

心も疲労骨折することがあるわけだ。

こんな時は、友達と話したり、のんびり散歩したりして気晴らしが出来れば良いのだが

あいにく、今の俺にはそんな時間が無い。

「ろくなニュースが無いな・・・」

朝、出かける前に流れるテレビを観ても、いつも気が重くなる話ばかりだ。

たまに観るときに限って、悪い占いなんかも流れていたりする。

俺は釈然としない気持ちで、まだ暗い中、今日も朝の電車に飛び乗り、学校を目指した。

いつもの席に座り、二駅くらい過ぎたあたりだろうか。

海の向こうが白み始めた。

電車ではいつも勉強ばかりだが、今日ばかりは窓の外を見ていた。

やがて、一条の光が波間に差したかと思うと、車内を黄金色に染めていった。

未だかつて、これほど美しい日の光を見たことはない。

縦横無尽に反射した光が車内を均一に照らし、

俺は光の中にただ一人浮いているような錯覚を覚えた。

突然の光景に、何というか、純粋に心が洗われるような気がした。

そして無性に、「有り難い」という気持ちがわき上がった。

「俺は恵まれているんだな・・・」

今日もこうして、電車は走っているし、

ご飯も食べて、日の出を美しいと感じることもできる。

今日も世界のどこかで、何かが、そして誰かが

俺の当たり前の一日が過ごせるよう、意図するとしないとに関わらず動いている。

さっき観たニュースの世界にはあり得ないようなことが、ここでは毎日当たり前のように過ぎていく。

何という奇跡だろう。

もっと言えば、俺はこうやって自分の目的のために、専念することができる。

「勉強しなければいけない」のではなく、「ずっと勉強だけやっていても良い」環境が俺の手中にあるんだ!

俺には目的を自分で設定し、願えば叶う可能性が、与えられている。

「そうか、ずっとそうだったのか・・・。」

つづく・・・

photo credit: matsugoro via photopin cc

あとがき

「有り難い」というのは、文字通り読めば「有ることが難しい」ということです。
なかなか無いもの=貴重なもの、とも言えます。

日々当たり前のように思い、気づきもしないことが実は有り難いことだと分かれば、気持ちは一瞬で変えられます

この中で一つでも当てはまることがあれば、あなたは幸せな人です。

・今日もご飯が食べられたし、水もある。
・今日も暖かい布団で寝ることが出来た。
・今日も平らなところで、横になって寝ることが出来た。
・今日もトイレに紙があった。
・今日も家族と一緒に無事過ごすことができた。
・望めば家族、友達に電話したりメールしたりできる。
・望めば本屋に行くことができる。通販もできる。
・望めば音楽を聴くことができるし、テレビを観ることもできる。
・自分の目標があり、時間もどうにかある。
・努力次第で目標が叶う可能性がある。
・今、まさにパソコンやスマホでネットを活用できている。

あなたが持つ、すばらしい恵みを思う存分享受し、

最大限に活かしてあなたの目標に全力投球してください。

あなたを取り巻く環境も、あなたの持っている時間も、可能性も、すべてあなたの財産であり権利です。

無駄にするなんて、もったいないですよね?

いつもお読み頂きありがとうございます!
※この物語は、実体験をもとにしたフィクションです。


コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です