自由の代償  起業の方向性で迷い道に入らないために考えること (第42話 決別)

道を歩く人

― 省吾は、大学卒業後の進路について、自分の希望が親の希望と異なることに気づいてしまった。 ―

あのあと、親に自分の考えていることを伝えてみたが、予想通りの展開が待っていた。

「何のためにT大に入ったんだ!」

「俺のためだよ。」

「省吾! 今のお前にとって、国家公務員ほど良い将来はないだろう?」

「・・・」

ラーメン屋の犬がきっかけで(前回参照)、俺は自分の行きたい道がもっと別にあると考え始めたのだが、親としては納得できないようだ。

親が面白いと思っている世界に、俺は興味がないのだから仕方が無い。

思い返せば、俺が大学受験のために頑張って勉強してきたのは、

自分に一個人としての強さ、すなわち「考える力」を付けるためだ。

そして、その強さが自由な生き方を得るための武器になると考えたからだ。

自由は小さい頃からずっと自分のテーマだった。

自由とは何か?
自由になるにはどうすればいいか?

ずっと考えていた。

別に官僚という仕事に文句があるわけじゃないが、俺はもっと別の方向で自分の可能性を試してみたかった。

もし、公務員の将来が親の言うとおりだとしたら、

もう老後までの人生が見えたも同然だ。

それも、俺ではない、親や他の誰かが考えたレールの上を走る人生だ。

そこまで見えてしまったら、頭の中で俺の人生は一度終わり、

デジャブを見ているような生き方をしていくことになる。

そんなのは俺にとっての自由ではない

俺はある意味全てを捨てて、自由を選ぶことにした。

公務員試験対策の予備校にも通い始めていたが、それも止めることにした。

何を言われても、目の前に広がる無限の可能性に賭けてみたいと思った。

つづく・・・

あとがき

起業というのは、

より多くの選択肢を手に入れることでもあり、

その代わりに一部の選択肢を手放すことでもあります。

日本の中小企業の数は385万社。(出典:2014年版中小企業白書)

社長をしているのは、日本の総人口の約3%

すなわち100人中3人です。

自分のやりたいことをするためにビジネスを起こす人は圧倒的な少数派であり、

大多数が選択するであろう「用意された道」を手放すことを決めた人達です。

この生き方は、自分で新しい道を作って、進んで行くことが好きでなければ苦痛かもしれません。

それでも、自由が欲しいなら、いつか決断することも必要です。

そして、決断の時は、

打算抜きに、自分の中から出てきた理由を大事にして下さい。

そうしないと迷い道に入ってしまう理由がいくらでもあるからです。

・自分のやりたいこと

・自分ができること

・自分が今やっていること

・誰かに求められていること

等々、これらの方向性がはじめから全部ぴったり合う人はごく一部です。

無理にどこかにあわせようなどと思わず、自分にとって「一番大事なこと」のために、

何かを捨てても、またそこには新しい何かが来ると信じて進むのみです。

いつもお読み頂きありがとうございます!
※この物語は、実体験をもとにしたフィクションです。

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