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仕事がはかどる「濃い」時間はいつやってくるか?  (第27話 通学電車)

― 高校2年になる頃、省吾は朝の通学電車の中だけは勉強しようと決めていた。省吾にとって、朝のこの時間は1日で1番集中できる時間だった。 ―

 

「省吾君、おはよー」

「おはよー。今日も有り難う!」

 

有り難いことに、朝、通学の電車に乗ると、

同じ通学ルートの友達が先に座席を取っておいてくれる。

そんなに混むような電車でもないが、いつも同じ席が確保されているのは話が早い。

 

隣に座りながらも、別にその友達とは挨拶以外は電車で話すでもない。

不思議な通学仲間だ。

 

向こうは漫画を読んだり、音楽を聴いたりして、俺がやることをただ、邪魔せずに見守ってくれる。

成績に一喜一憂して、「ああでもない、こうでもない」という親より余程協力的だろう。

 

俺はあえて地元の高校を選ばず、離れた高校を選んだが、その分通学にはかなり時間がかかることになった。

片道1時間はかかる道のりを、毎日行ったり来たりするわけだが、もう最近は時間の使い方に慣れてきた。

 

はじめの頃は何をして良いか分からなかった。

しかしあるとき、この時間だけは毎日確保されていることに気づいてから、何とか有意義に過ごしたいと考えるようになった。

朝の電車の時間だけは、今、自分に一番必要と思える勉強をすると決めた。

 

朝は雑念が少ない。

起きてから、支度をして電車に乗れば、あとは着くまで落ち着いて集中できる。

 

新しい分野にトライしたり、苦手分野の克服にじっくりと向かい合ったりと、

スキマ時間では難しいようなことが、この朝の時間ならできる。

 

俺はいつの間にか、そんな朝の1時間を、何より大事に思うようになっていた。

 

つづく・・・

photo credit: Photographing Travis via photopin cc

目次

あとがき

時間を積み重ねるという努力は大切です。

しかし、時間というのは不思議なもので、いつでも均一に広がっている訳ではないようです。

 

同じ1時間でも、テレビを見ている時と、大事な商談をしている時ではその過ぎ方も、生み出す結果も全く違います。

 

よく言われる80:20の法則は、時間と成果の間にもある、ということだと思います。

例えば、仕事時間が1日10時間だとしたら、そのうち2割の2時間にやっている仕事が、その日の成果のうち、8割を生み出している、といった感じです。

その「2時間」は、いわゆる「濃い」時間と呼んで良いかもしれません。

 

では、「濃い」時間はいつやってくるのか?

 

私の経験では、「濃い」時間は勝手にやってくることもありますが、むしろ、自分で確保するものだと思います。

翌日の予定を考える時に、一区切りの時間が取れる時間帯があるか、確認してみて下さい。

 

起床を1時間早められるかどうか? なども含め明日の予定には、1時間を超えるようなカタマリの時間はあるでしょうか?

もしあれば、その時間を自分の「濃い」時間として確保します。

 

1時間程度の時間を探すのは、集中力が最高レベルに到達するまでには、少し時間がかかるためです。

ようやく波に乗ってきたところで、次の用事に邪魔されては意味がありません。

 

また、起きてすぐだと集中できない、という場合も多いと思います。

そんな時は1時間早めに家を出て、通勤などで血の巡りをよくしてから自分なりの「濃い」時間を始めるのもお勧めです。

 

この時間は、あなただけの時間です。

時間を決めて、電話やメールなどの邪魔が入らないようにしておきます。

 

そしてこの「濃い」時間で何をするかというと、あなたにとって一番大事なことです。

例えば

・その他様々な課題解決への選択肢が増えるような、要のタスクを片付ける
・新しい収益の柱を立てるための、事業計画案に着手する
・キャリアアップのために、新しい分野の勉強をする

といった、緊急かどうかは別として、重要性や将来性の高いことが適しています。

 

この時間は、最高の成果に繋がることだけにフォーカスします。

 

毎日、「濃い」時間を過ごしているかどうかで、その先の展望はかなり変わってくるはずです。

あなたが目標を成し遂げたときに振り返って、

 

日々の、あの「濃い」時間が今の自分を作ってくれている。

そう思えるような、あなただけの、クオリティの高い「濃い」時間を過ごしてください。

 

いつもお読み頂きありがとうございます!
※この物語は、実体験をもとにしたフィクションです。

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この記事を書いた人

田畑ゼミ主催者。

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