― 高校3年生の2学期を迎え、省吾は本格的な勉強体制を確立しつつあった。集中力や勉強効率もとことん重視していたが、その先の壁は、やはり時間の積み重ね以外では超えられそうにない。そこで、長時間戦い続けるために省吾が思いついた方法とは? ―
自分を鍛えるということにおいて、最後まで裏切らないのは時間の積み重ねだ。
どんなに効率を重視した勉強の仕方を目指しても、同じ勉強を長時間連続でやるということは、それだけ感覚が麻痺して効率が悪くなっていくという矛盾もはらんでいる。
「ある程度のパフォーマンスを維持したまま、長時間勉強し続けるにはどうすれば・・・」
今日も電車に揺られながら、朝の通学時間の勉強は終えた。
しかし、必要な勉強量を考えると、学校から帰ってからの時間はぶっ通しで勉強するくらいの勢いが必要だ。
のんびり気力が回復するまで休憩を挟んでいたら冗談ぬきに夜が明けてしまう。
俺はそんなことを考えながら電車を降りた。
「それにしても、今日はカバンが重い」
今日は移動中にあれこれ勉強しようと思って、やたらと参考書類をカバンに詰めてきてしまった。
行きは弁当が入っている分、特に重い。
駅の階段を上がったり下がったりしている間にどうにも手が疲れて、気づくとカバンを肩にかけるように持っていた。
それでも次第に肩も痛くなり、次は左手で持つ、というサイクルを繰り返しながら何とか学校行きのバスまでたどり着いた。
「それにしても、このバスを逃すと次は遅刻だからな・・・」
バスの席にすわり、俺はようやく一息ついた。
「ああ、そうか。」
「勉強もこれと同じなのか?」
俺は、ノンストップでカバンを下ろさずにバス停まで歩くのと、ノンストップで勉強するのは似ていると思った。
頭も体の一部だ。
同じ腕の筋肉を使ってカバンを持ち続けていると疲れは蓄積し、限界に達すれば腕が上がらなくなる。
だが持ち方を変えたり、反対の手に持ち替えたりすることで、カバンを持つ動作はノンストップで継続できる。
勉強も同じで、疲労が限界まで蓄積し、集中力が完全に切れる前に、
別の科目に切り替えたり、
今までと違う思考分野を使う勉強に切り替えたりすることで、
もっと長時間、集中力を維持できるのではないだろうか?
つづく・・・
あとがき
例えば1日の仕事時間が8時間あるとして、その8時間をどう活用するか?
今日の8時間をだらけること無く、有意義に過ごしたい!
これは重要なテーマです。
そんな時どうするか?
まずは仕事の中身をいくつかの種類のタスクに分けることをお勧めします。
頭の使い方の大枠としてはまずインプット、アウトプットがあり、その中がさらにクリエイティブ系、ロジカル系、作業系などに分けられると思います。
例えば、今日やる仕事がプレゼン資料の作成だとすれば、上記のように性質によって6種類くらいにタスクをわけます。
次に、それぞれのタスクに90分以内の時間を決めて取り組むと良いかと思います。
時間をセットするのは、
・どのくらいのタスクを
・どのくらいの時間でやりたい
という2点を決めることで、はじめて作業スピードが意識できるからです。
時間が来たときや、壁にぶち当たったときは、次のタスクに移り、一周したらまた同じタスクに戻ります。
こうやってぐるぐる回していくうちに、全体として仕事を終わらせることを目指します。
その結果、集中力が切れる前に別の仕事へ意識を移して行くことができます。
それでも体力の限界はいつかやってきますので、必要なら適宜5分程度の運動や休憩も入れてください。
疲れが顕在化すると、パフォーマンスが桁違いに下がってしまうからです。
長時間の仕事を乗り切るには、
仕事を性質別のタスクに区切り、時間を決めて切り替えながら進めていくのがコツです。
集中力が焼け付く前に、頭の別の部分を使って乗り継いでいく感じです。
是非試してみてください!
いつもお読み頂きありがとうございます!
※この物語は、実体験をもとにしたフィクションです。
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