副業でも独立起業でも、一番始めに計画を立てるときには、頭のどこかで売上げ予測を皮算用していると思います。
でも、売上げを予測している段階で多くの人が陥りやすい罠があります。
例えば
毎月100万円稼ぎたい!(いくらでも良いです)
といった辺りの希望があって、何かビジネスを起こしてみようとなるわけですが、もうこの時点で罠にはまっているかもしれません。
※注意:この記事は毎月100万円を稼ぐためのハウツーではありません。
「毎月」という言葉に縛られていないか?
例にある「月100万円稼ぐ」という目標の何が問題なのか?
問題なのは「100万円稼ぐ」の部分ではなく、「月」という言葉の方です。
この言葉を使うことで、実はある先入観によって大きな制約を受ける可能性があります。
ビジネスを起こすと決めたら、そこはもう不確実きわまりない世界が待っているわけです。何かが「毎月」コンスタントに規則正しく動く世界ではありません。
「毎月」という発想は、
・給料が毎月25日に入る
・毎月家賃を払う
などの生活を長年してきた習慣に大きく影響されています。
あなたがビジネスを起こすなら、「毎月」の意味は変わります。
「毎月払う」の側面は変わりませんが、「毎月入る」の側面は見る影もなく違う性質を帯びてしまいます。
ビジネスは自然現象
「毎月入る」の側面がどう変わるのか?
ビジネスを起こすというのは、自然現象と向き合うことだと考えると良いかもしれません。
例えば、海辺で寄せては返す波を想像してみて下さい。
波打ち際ぎりぎりまで歩いて行ったことがある方は分かると思いますが、どの程度のところまでさざ波が届くかは毎回違いますよね?
全然大丈夫だと思って近づいていったら、突然大きめの波がやってきたりします。
ビジネスもこれと同じです。
結局ニーズや需要と言っても人の心がベースになっており、文字通り波があり、毎月毎月、同じ売上げなど立たないわけです。
もし毎月全く同じ売上げが立っているなら、特殊なスキームを持っているか、壮大な無駄をしているかのどちらかでしょう。
良いときも悪いときもある
上述のように、ビジネスには波があります。
すなわち「良いとき」も「悪いとき」もあります。
そんな中で、例えば「毎月100万円」を目標にセットしたら、どうなると思いますか?
もちろん、悪いときには100万円どころか、50万円も達成出来ないかもしれません。
しかし、よい時は100万円くらい軽く売り上げるかもしれません。そうなると、変な達成感が邪魔してその月は本来200万、300万と売り上げられたはずの月だったのに、100万円そこそこで頭打ちになってしまうこともあるでしょう。
雨のニューヨークでタクシーがつかまらない理由から分かること
ニューヨークで雨が降るとタクシーが捕まらない、という話を聞いたことがあるでしょうか?
これは何故だと思いますか?
その理由の一つに面白いものがあります。
タクシードライバーは日々ノルマの金額を設定しているそうですが、雨が降ると途端に需要が増えるので、早いうちに目標金額を稼ぐことができます。
そうすると、街にはお客があふれているのに、ドライバーは満足して家に帰ってしまうそうです。だから、タクシーの配車数自体が減って、どんどんタクシーに乗れなくなっていくという状況になります。
文化的な違いもあると思いますが、あなたなら、雨の日にどう稼ぎたいでしょうか?
毎月100万円! を正しい目標にする方法
環境が変わるなら、何か工夫するか、自分をあわせていくしかありません。そのための方法は二つあります。
月単位で設計されたビジネスモデルをもつ
一つ目の方法は会員制ビジネスなど、ストック型のビジネスモデルを作ることです。
1万円の月会費なら100人でぴったり100万円の売上げが立ります。
ビジネスという自然現象を、ビジネスモデルという人工物で安定させようというわけです。
私もずっとストック型ビジネスをやってきましたが、うまくいけば非常に安定します。
何しろ、毎月1日の時点で、今月の売上げベースが大体確定しているので余裕を持って、計画的な経営ができます。
集客の仕組みをもつ
ほとんどのビジネスは継続的にお金を頂く仕組みを作ることで、ストック型ビジネスの性質を持たせることができます。
しかし、難しい場合でも「集客の仕組み」を作り上げれば売上げは安定します。
基本的に、お客さんにはあなたの商品を全く知らない状態から、リピーターの状態まで何種類もの段階の人がいます。
それぞれの段階の人に、適切なタイミングで適切な接触をするという活動を、システマティックに実行していくのが集客の仕組みです。
始めてあなたの商品を知る人、商品を知って迷っている人、一度買ってくれた人、何度も買ってくれる人、などあらかじめ全ての段階をリストアップして、その都度どんな資料を見せるか、どんなHPに誘導するか、どんなメールを送るか、などを全て決めておきます。
その上で、チラシを配布したり、ウェブ広告を出してこの流れにのせるわけです。
もちろん、この仕組みは最初に作った段階ではほとんど機能しません。運用しながら調整し、定期的に見直しが必要です。
一定期間、この仕組みを続けていれば、どのくらいの広告をすると、どのくらいの問い合わせがあって、最後に何人くらいが購入に至る、というような数字がつかめるようになってきます。
あとは、逆算して、毎月売上げが立つだけの広告を出したり、ビラまきをしたり、テレアポをしたりすることで、最終的な売上げを一定範囲に持って行くという、数の勝負に落とし込むことができます。
集客の仕組みが出来れば、売上げ目標を100万円にセットしてあっても、「一定人数を集客の仕組みに流し込む」ことが具体的な数値目標になるので、調子の良い波が来ている時でも精神的なブレーキがかかることは無いはずです。
本当は、この集客の仕組みをもちながら、ストック型ビジネスモデルを運営するのが一番です。
玉砕するパターン
毎月、仕組みもなく客を取りに行くような集客スタイルだけはお勧めできません。
集客、営業で大事なのは「継続」できることです。今日の努力が明日に繋がらないような戦略ではいずれどこかに無理がでます。
自分のビジネススタイルにあった目標設定をする
「月~円稼ぐ」を目標にしているなら、自分のビジネススタイルと合っているのか、一度は考えてみて下さい。
それには目標を出した自分の本心を考えてみると分かることがあります。
例えば、「月100万円稼ぐ!」というのは、考えを深めていくと実は「年収800万くらい欲しい」というところから出てきていると分かるかもしれません。
何故か分からないけど今までのクセで月換算に直してしまった、という話は良くあります。
もしそうなら、別に毎月決まった金額を稼ぐ必要は無く、大げさな話1年に一回、1,000万くらいの売上げを立てればOKということになります。
「毎月~円稼ぎたい」という目標の本心が、「毎月お金がないと生活費に困るから」という理由から来ているなら、これは間違いのもとです。ビジネスを起こす前に、ある程度資金的な準備をしてからもう一度考えた方が良いかもしれません。
「月いくら」の目標枠を取っ払って考えれば、3ヶ月かけて500万円稼ぐようなプロジェクトはないか、などと考えることもできます。
一旦契約を決めたらその仕事に十分な力を割くことが出来て良い仕事ができるし、次のプランをじっくり考えることも出来る。
こうやって好循環を回していく計画を立てるのも悪くないと思います。
ではまた!