何のものでもそうですが、起業の道も覚悟を決めるからこそ見えるものがあります。
どうしてもこれをやりたい!
そう思える情熱があるから起業を志すのだと思いますが、そうはいっても人間は不安に苛まれる生き物です。
この道を進んだ先に活路はあるのか?
一度はそんな不安もよぎるでしょう。
もしあなたが、この先の道について不安を持ちつつ、事業計画を書いているなら・・・
そして、どうも微妙な数字しか出てこないと思っているなら・・・
何か見落としていることがあるかもしれません。
今日はそんな時読んで頂きたいことを書いていきます。
これから起業するなら、経営者としてはLv.1
起業しようという段階では、もちろんのことながら、経営者としてのスキルはこれから磨くという状態でしょう。
プレイヤーとして、あるいは業務執行者としての技能は高くても、ビジネス全体として利益を出していくための仕組にまで精通している人は少ないはずです。
そうであれば、現段階で書いた事業計画書の精度も推して知るべしです。業歴の浅い企業への融資が厳しいのもそのためでしょう。(新規創業融資は、今のところ相当緩いとは思いますが・・・)
要するに、その業界で勝っていくためのカギを未だ知らない可能性が高いといえます。
例えば、何かエレクトロニクス機器を作っている会社で、あなたはナンバーワン営業マンだったかもしれない。
しかし、その業界構造を考えた時、もしかして、販売網がカギになっているかもしれないし、基盤設計がカギになっているかもしれない。経営者としてその業界に精通していない限り、中々みえてこないことがあります。
もちろん、販売力がカギになっている場合なら、その会社はあなたを中心とした営業パワーで勝っていることになるので、あなたは自信を持って良いと思います。
そうでない場合は、現職の業界で独立起業するにしても、新規に起業するにしても、自分の強みやバックグラウンドと、起業するジャンルで勝つための要素は一旦別々に考えるべきです。
勝つためのカギはその辺にわかりやすく落ちているものではない
さて、今回の本題は、決意を固めるから見えるものがある。
ということです。
生き残り、勝ち上がるためには、これから参入する業界で勝つためのカギを見つける必要があるのですが、これから起業しようとする段階では、それが中々見えないわけです。
しかも、厄介なことに、例えば設計力と販売力など、同時に複数のカギを持っていて始めて勝てる構造になっている業界もあります。
では、そのカギを手に入れるにはどうするのか?
どんなカギかを把握するのは、実は単なる入り口に過ぎず、そこからさらに視点を細分化して小さなパーツを集めながら、カギをつかんでいくことになります。
どこかにポンとカギが落ちていて、それを拾えば良い、というようなことはありえません。
鉄くずを集めたり、時には砂鉄のようなレベルの材料を集め、鋳型をつくり、鉄を溶かすための温度を出せる炉を探して・・・
ようやく自分のカギを手に入れるのです。
そして、自分が参加する業界なり市場への、扉を開けることができる。
あまりに抽象的になってしまいましたので、現実の話に引き戻して考えてみます。
例えば、ネット通販ビジネスを創業するとします。
もちろん色々な商材を仕入れてくる必要があるわけですが、本当にいろいろ探したのに、利益が取れそうな商材や仕入れ先が見つからない。ということはざらにあると思います。
ネット通販で稼いでいる会社は他にいくらもあるのに、それを例えば参入時期のせいなどと考えて
「いまどき、ネット通販なんて始めてもだめかな?」
とあきらめるのは早すぎます。
簡単に「できない理由」を思いつくようでは、あなたは、まだ迷っているのかもしれません。
起業を志したときの理由が本物なら、これをどうしてもやりたい、と思える情熱があったはず。
それなら、もう一歩踏み込んで、「決意を固める」べきです。
少しでも迷いがあると、「これに賭けて良いのか?」
という不安がどこまでも、拭いきれません。
何をするにしても、必ず一つ一つの思考や行動の度に、陰のようにつきまとい、判断を鈍らせ、行動を遅らせる原因となります。
ビジネスには決断や行動のタイミングが非常に大事になるときがありますので、たとえ少しの疑念でも、全てを台無しにすることができます。
しかし、一度覚悟を決めることが出来れば、
「ここに活路はないのかな?」
から、
「活路はどこにあるだろう?」
に問いの次元を変えることができます。
視点を細分化していくとはどういうことか?
先ほどの続きで、例えば、「自分がどうしても良いと思ったものを世に届けるため」通販を始めたい、という動機があるとします。
従来は、B2B向けだった業務用商材などを、一般消費者向けに流通させたいとしましょう。
現状を見る限り、消費者向けの市場を開拓している業者は多くないし、実際自分で試算してみても、利益が出ない気がする・・・・
そんな状況を考えてみて下さい。
普通なら、つまらないビジネスアイデアだと捨てるところですが、なんとかしたいという思いがあれば、事業計画書の数字を、一つずつ、細かく細かく見ていくことも出来るはず。
ざっと見て、「営業利益率が~%だな、つまらん。」
というのでは無く、本当に、一つずつ数字をみて、その裏にある背景も見ていくということです。
そうしていると、不思議と、何かが見えてきます。
今までなんとなく見過ごしていた数字と数字の関連や、どうも腑に落ちない数字、仲間はずれに見える数字など、すこしずつ見えてくるのです。
そうやって、例えば、B2C向け(消費者向け)の市場に参入しても、利益が出ない一つの原因は「小分けにして売る場合、個別の送料が高すぎる」
ということが分かるかもしれない。
そこまで分かったなら、送料を安くする方法を地道に模索していくのみです。
要するに、その商材をB2C市場へ向けて展開する際のカギは、「送料を制することである」ということが見えたわけです。
カギを見つけることの意義
もちろん、それだけで勝てる業界ではないかもしれない。
しかし、その他のカギも、引き続き模索していくことができるでしょう。
それ以上に、勝つためのカギが分かることの意味として、「関係ない要素」に力をムダにつぎ込まなくて済むということがあります。
例えば、郵便局と交渉して送料を安くするとか、自分で配送網を整備するなどの努力が一番利益に直結する業界なのに、宣伝広告費とか、製品設計とかに力をつぎ込んでも効果が薄いわけです。(もちろん、これは起業に限った話ではありません。)
極めた人が言うこと
よく、何かを極めた人のインタビューで、秘訣などを聞く場面がありますよね。
そこでこんな答えが返ってくるのを聞いたことがあるかもしれません。
「私にはこれしかないですから・・・。」
これです!
自分にはこれしかない。
この道を拓いていくんだ!
そう決意すると見えるものが変わってきます。
やりたいことがあるなら、是非決意を固めて、
不退転の覚悟でこれからの、あなたの活路を見いだして下さい!
ではまた!