・得られるはずの利益に気づかない
・避けられたはずの損失に気づかない
そんなことが起きないように、
今回は、物事の視点は一つではないということを考えてみたいと思います。
FXや株取引を題材にしていますが、もちろん、どんな商売にも活かせる考え方です。
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念のため、FXや株を知らない人向けの基礎知識
※知っている人は次の見出しへどうぞ。
FXや株も、取引する対象としては、本やCDなどの「モノ」と変わりません。
モノの売買で儲けようと思ったら、「買い」と、「空(カラ)売り」の二通りの方法があります。
・買いで儲けるには?
安く買って高く売る。どこかで安く仕入れてきて、それより高い値段で売れば差益がでます。
空売りで儲けるには?
例えばあるCDの値段が品薄で高騰しているときに、誰かから商品を借りてきて、高い値段で売ってしまいます。相場が下がったら同じCDを買ってきて、貸してくれた人に返せば、差額が自分のものになるという考えです。最初に持っていないモノを売るので「空」という時が付くわけです。
これで、買いと(空)売りが理解できたと思います。
一つの視点
さて、あとはマーケットが上に行くか、下に行くか、長期的にはこの二つしか動きがないとします。
取引を始めようと思えば、勉強して、情報を集め、色々と考えて、マーケットの見通しを立てようと考えるでしょう。
そこで、何らかの判断をよりどころに、あなたは今後マーケットは上がるとみて、「買い」の注文を出したとします。
ここでは例として米ドルを買ったとしましょう。
この後、マーケットが思惑通り上がってくれたら、ひとまずはOKです。その後、どこまで上がるのか分からない、どこで利益確定したら良いか悩む、という話は今は置いておきます。
しかし、自分が買った後に、米ドルが下がり始めたらどう考えるか?
自分が一度決めると、人は自分の決断をサポートするような材料ばかりに目が行ってしまいます。
「さんざん調べたし、経済情勢も、短期的なニュース材料も、上がる方向を示していたはずだ」
などという考えばかりでてくるということです。
大切な質問
「いつか、マーケットは上がり始めるはずだ」
しかし、そのままどんどん下がっていくことだってあります。どんなことでも起き得るのが取引の世界です。
いつまでも、一つの視点にこだわり続けたばかりに、さらに買い増しをして、一発で破産する人もいるでしょう。
こうならないために、買う前にも、買った後にも、実は考えておくべきだった、大事な質問があります。
それは
「売る人はなぜ売るのか?」
という質問です。
あなたが、米ドルを買った瞬間に何が起きたか、詳しく考えてみましょう。
注文が成立したということは、あなたの買い注文に応じる相手がいたことを意味します。
あなたが「買い」と思った時、逆に「売り」と考える人がいたわけです。
だとすると、その人はなぜ「売ってくれた」のか?
そう考えると、
もしかしたら自分の考えが絶対ではないのかもしれない・・・
自分には見えていない、何かの材料に気づいているのか?
そう思えてきませんか?
一つ、きっかけになる質問を自分にしてみるだけで、双方の考えの根拠を考え始めることができます。
多面的な視点を持つことで、ようやくニュートラルな、物事の見方が出来るようになっていくということです。
まとめ
まとめ代わりに、ビジネスでの例を一つ挙げてみます。
ビジネスでも売る人と、買う人がいるのは同じです。
もし、自分が売る商品やサービスの値段の付け方を考える時に、あなたが自分の原価を積算して値段を決めているなら、設定が間違っている可能性があります。
あなたの工賃や材料費を足していって、コストが1万円かかったから、2万円で売ろう、というような場合です。
一度は、あなたが売るモノを、受け取る側の視点も考えてみて下さい。
あなたの商品やサービスによって、実現することの価値、はあなたの設定した金額と釣り合いが取れているでしょうか?
値段を倍にしても、相手の受け取る価値がそれよりも、なお大きいなら依然として両者繁栄の道を進むことができます。
例えば、こんなケースです。
あなたの作った商品を買った人は、今までの2倍のスピードで伝票の仕分けが出来るようになるとします。
そのお客さんが、1日伝票整理に2時間かけていたなら、月に20時間は削減出来ることになり、時給を1,000円と見積もっても月2万円の削減が可能になるわけです。
これなら、4万円で売っても、お客さんは2ヶ月で元を取ることができます。
あるいは、こんなに継続的な価値が生まれるなら、定期的なメンテナンスも含めて、月5,000円でレンタルするのはどうだろうか?
それなら売り上げが安定するし、それでもお客さんは年6万円の出費で24万円の経費削減が出来る。さらに、いつでも調子の良い状態で商品を使ってもらえる。
そんなことにまで、考えが及ぶかもしれません。
自分が関わるビジネスには、どんな参加者がいるのか?
それぞれの立場の人は、どう考えているだろうか?
是非、色々な視点で考えてみてください。
ではまた!
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