領収書の整理保存、どんな方法でやっておられますか?
日々増えていく領収書等の整理、保存はお金の管理の第一歩。
今回は領収書のチェック方法とあわせて、
・会計事務所などでも使われているしっかりした方法と
・楽だけど最低限、用は足りる
という2種類の整理方法についてご紹介します。
基本的に、後で分かるようになっていればどんな方法で整理しても良いと思いますが、かかる手間を考えて自分なりの整理方法を決めて下さい。
今後長く事業を営んでいくことを考え、せっかくならずっと使える方法で最初から行くのがいいと思います。
ー目次ー
-そもそもなぜ、領収書を整理して保存するのか?
-領収書収書をもらうときの注意
-領収書をもらうときのチェック事項
-領収書に関する6つの疑問
-領収書類の整理
-鉄板手法 事業がどんどん成長してもこの方法でいける
-お手軽整理法 資料が少ないうちはこれでも十分
-おわりに
そもそもなぜ、領収書を整理して保存するのか?
法律による保存義務
領収書、請求書、契約書、帳簿書類、決算書類等、法律で一定期間保存する義務があります。ものによって5年だったり7年だったりしますが、関連する書類は全てセットで7年保存と覚えておくのが簡単です。
整理の目的
領収書などの基本的な書類は、ほとんど後で見返す機会がありません。しかし、整理しておくのは税務調査が入った場合に、日々の経理をしっかり行っているということを示したり、必要になったとき書類をすぐに見つけたりするためです。
領収書をもらうときの注意
無効な領収書では経費として認められなかったり、消費税の仕入税額控除の対象にならなかったりするため注意が必要です。
要するに、管理がいい加減だと多めに税金を払う羽目になるかもしれないということです。
また、日頃どんなに小さな金額でもレシートや領収書はもらう習慣をつけておいた方がいいです。決算書を作る段階になって意外に利益が出ていることに気付いても後の祭りになってしまいます。
領収書をもらうときのチェック事項
1:支払先の名称、住所等が書いてあるか?
2:金額、日付(年月日)が入っているか?
3:但し書きは問題ないか?
「品代」ではなく、具体的に内容が分かるように品目を記載してもらいます。
4:宛名は上様ではなく具体的な社名・屋号が入っているか?
空欄でもらうのもNG。
小売店や飲食店でもらう領収書には宛名が要らないという話もあります。しかし、(あえてレシートではなく)領収書をもらうときは、いちいち「上様」で書いてもらわず、ちゃんと自分の商号で宛名を書いてもらいましょう。
結局、領収書を後で見返すときはいつか?それは、税務調査の時がほとんどなので、その時にしっかりとした「証拠」として存在しているほうが印象は良いはずです。
領収書に関する6つの疑問
収入印紙が貼ってないんだけど?
5万円以上の領収書には収入印紙が必要。ちなみに、もらった領収書に印紙がなくても、無効にはならないが一応チェック。
領収書が発行されない経費についてはどうするの?
電車代、バス代などの交通費、自販機、ご祝儀など領収書が発行されない出金もあります。そんな場合は、「出金伝票や、支払い証明書」に必要事項を記載して他の領収書と一緒に整理します。招待状など、証明できる資料があれば一緒に保管。こちらは出金伝票の記入例です。
カードで支払った場合は?
カードで支払った場合は、カード明細書+お店が出してくれた明細書も保管しておく。
レシートでも経費になるの?
レシートでも証拠書類としては問題無い。但し3万円以上なら領収書をもらっておく。(消費税の本則課税を選択している場合)
経費以外の買い物が混じっているレシートはどうなる?
自家用の買い物が混じっていてもOK。その分はわかりやすくメモをして除外するか、該当する経費のところを蛍光ペンでハイライトしておく。
その他に注意することは?
飲食代などは領収書の裏に同席した相手先情報、人数、目的などをメモしておく。
飲食に限らず、後から見ても「正当性のある書類」だと分かるような情報や資料はなるべくつけておくのが吉。
領収書類の整理
領収書のチェックがOKなら、あとは整理していきます。
鉄板手法 事業がどんどん成長してもこの方法でいける
STEP1:ルーズリーフやコピー用紙などを用意。2穴バインダーと、必要に応じて穴開けパンチも用意します。
普通のノートと比べ、バインダーなら厚くなっても扱いやすく、月ごとにIndexをつければ便利です。
STEP2:領収書を科目分けします。科目分けというのは、「会議費」、「消耗品費」など、このお金は何のための費用だったのか分かるよう、経費の分類を決める作業です。
分け方にはある程度自由度があります。例えば、振込をしたときの手数料を「雑費」としても問題はありませんし、ある程度領収書の数があるようなら「支払手数料」などの科目にしてもOKです。
ポイントは、一度科目を決めたら簡単に変更しないことだと思います。もし文房具を「事務用品費」に分類すると決めたら、ずっとそれを続けます。あるときは消耗品、あるときは雑費などと適当に分けていると、自分でも経費推移がつかめません。
また、「雑費」に分類するのは滅多に発生しない分類不能な経費だけにとどめます。雑費の金額が多すぎると税務署に不信感をもたれるという話は良く耳にします。
STEP3:領収書を日付順に並べ、通し番号をつけます。
STEP4:必要なら「現金」、「銀行口座」(ATM利用明細書)、「カード払い」の3種類、貼る台紙を分けておくと後で帳簿をつける時に楽になります。
STEP5:領収書を台紙に貼ります。
貼り方:
ページの左下から貼っていく。(上から貼ると、先に貼った領収書をめくる手間が発生するため。)
金額など主要部分が見えれば、他の部分は重なってもOK。ノリは領収書の上の方だけつける。(後で電子データとして保存する予定があるなら、全く重ならないように貼っていく。)
上図のように左から右へ、下から上へと貼っていく。
その他:納品書などの関連書類があれば、領収書の近くに貼っておくと良いです。関連取引書類は一カ所にまとまっていると後から探しやすく、経緯が把握しやすくなります。
なお、1ページに1日分の領収書類を貼るという方法もあります。その日に領収書が1枚しかなくても1ページ使ってしまいますが、後で探す時に圧倒的に楽です。
お手軽整理法 資料が少ないうちはこれでも十分
枚数が少ないうちは、STEP5を省いて、クリアファイルに分けるくらいでもなんとかなります。
月別、支払い方法別に、毎月3つのクリアファイルを用意して分類していくのがお勧めです。
要するに何処に何の書類があるか、すぐに分かる状態になっていることが大事。とりあえずこの方法でおおざっぱな分類だけしておいて、時間が出来たときや量が増えたときに整理し直すのも良いかと思います。
このように、バインダー用の穴が開いているクリアポケットを使うのも便利です。
おわりに
今日は以上です。
領収書等の整理ができたら、次は日々の記帳業務が必要になります。
・申告は単式簿記でするか?
・複式簿記でするか?
・どんな帳簿が必要なのか?
といったことについて、また別の記事でまとめてみたいと思います。