集中力の維持は結局、気合いの問題なのか?  (第26話 春の宴)  


― 省吾は高校1年生の春休みの間、来る日も来る日も、映画を観ていた。どうした省吾? 受験勉強を始めるんじゃなかったのか? ―

英検1級に受かってから、ようやく英語以外の受験勉強に着手できると意気込んだが、それもつかの間だった。

合格の反動で、緊張が緩んだせいかこの春休みはレンタルビデオしか観ていない気がする。

昼頃に起きては、飯を食い、映画をみて、飯を食い、風呂にはいる。

この季節は風呂に入りながら窓を開けると冷たい、良い風が入ってくる。田舎で何の景色もないが、空気は良い。

風呂上がりはコーラを飲みながら映画を観る。

そして寝る。

これの繰り返しだ。

他人には、「勉強で人生を切り開こうぜ」みたいな格好をつけたアドバイスをしておきながら、自分は毎日映画三昧、という・・・。

ギャップのある生活に、俺は後ろめたいような気もしながら、しかし確実にそんな生活を満喫している。

俺は、いわゆるテレビは全く観ないが、自分で観たいと思った映画やドラマをレンタルしてくるのは前から好きだった。

英語の勉強を始めたのも、ハリウッド映画が好きで興味をもったのがきっかけだ。

しかし、それにしても・・・

そろそろ本当に英語以外の勉強も始めないとまずいだろう。

「明日で、いったん区切りをつけるか。」

借りてきた映画7本パックが、まだあと5本残っている。

これを、明日すべて観てしまえば、もう俺を誘惑するものはないはず。

翌朝、俺は飯を済ませると早速一本目の映画をスタートした。

しかし、立て続けに2本目を観終わる頃には、いつもと違う感覚を感じていた。

微妙に頭が痛いような、眠いような・・・

さらに続けて3本目の映画に取りかかると、妙な義務感のようなものまで生まれてきた。

とうとう3本目の途中でリタイヤし、俺は風呂に入って寝ることにした。

風呂で鏡をのぞくと、重そうな眼をした顔が映っている。

「そうか、俺は好きな映画ですら3本続けて見ることが出来ないのか・・・。」

これでは長時間の勉強が出来ないのも無理はない。

長時間集中したいと思っても、これは気合いだけでどうにかなる問題でもなさそうだ。

実際、センター試験や大学の入試本番では、1日中テストを受け続けることになる。

それも毎年雪が降るような寒い季節に、どこかの学校の堅いイスに座って計二日間、テスト地獄だ。

日々の勉強で、安定してそれ以上のパフォーマンスが出せていないようでは、勝負にならないだろう。

「もっと長時間、ダレない集中力を手に入れるにはどうすればいいんだ?」

つづく・・・

photo credit: Phil Dragash via photopin cc

あとがき

私はあるとき、集中力も一種の体力だと気づきました。

すなわち、鍛錬が可能だということです。

だからこそ、食事に気をつける、運動をするというのはもちろん効果的です。

しかし、ダイエットと一緒で、そういう基本的なことに気をつけていくのは意外に厳しいと思います。

そこで、何か面白いことや、非日常を感じられるような要素を追加してみるのはどうでしょうか?

脳のスタミナを鍛えるために、私がたまにやっている「集中力マラソン」という訓練方法があります。

興味のある方は、是非こちらの記事も読んでみて下さい。

関連記事:「集中力を長時間維持するには? 好きなことをして脳のスタミナを鍛える方法」

いつもお読み頂きありがとうございます!
※この物語は、実体験をもとにしたフィクションです。


コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です